○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
十六日に、委員会として海上自衛隊厚木基地に視察に行きました。その際に、同基地から派遣されていますアデン湾での海賊対処活動についての説明を受けました。まずこの問題についてお聞きをいたします。
自衛隊の派遣以降のソマリア海賊事案の発生状況は、まずどうなっているでしょうか。
○政府参考人(防衛省運用企画局 局長 深山延暁君) お答え申し上げます。
ソマリア沖アデン湾における海賊事案の発生件数でございますけれども、自衛隊の海賊対処部隊を派遣した平成二十一年から二十三年までの三年間は、年間で二百件を超える高い水準にございました。しかし、平成二十四年以降、各国部隊の海賊対処活動等の成果によりまして海賊事案の発生件数は減少しております。平成二十五年及び二十六年は年間十件台、具体的に言いますと、二十五年十五件、二十六年十一件に抑えられているところでございます。
○井上哲士君 お聞きしますと、二〇一一年が二百三十七件でピークでありまして、今ありましたように、この二年間は激減をしております。厚木基地でお聞きしますと、今年はまだ発生ゼロだということでありました。
自衛隊派遣のこの法案審議の際に当時の国土交通大臣は、具体的に起こっている海賊の活動、これが鎮静化すれば終了すると答弁をしておりますが、これ終了は検討されているんでしょうか。
○国務大臣(防衛大臣 中谷元君) 現在、ソマリア・アデン湾において海賊事案の発生件数は極めて少なくなってまいりました。これには自衛隊を含む各国部隊による海賊対処活動や船舶の自衛措置、また民間武装警備員による乗船警備等が大きく寄与をいたしておりますが、しかし、国際社会がこれらの取組を行っている中でございます。海賊による脅威というのは引き続き存在をしておりまして、海賊問題の根本的な原因であるソマリア国内の貧困等も依然として解決をしておりません。こういったことを判断をいたしまして、今後につきましては政府内でこの期間については判断をしてまいりたいと思っております。
○井上哲士君 今答弁されたように、海賊問題の根本にあるソマリアの貧困問題というのがあるわけですね。この解決が必要であります。私は法案審議の際に、日本はその分野こそ全力で取り組むべきだということを主張いたしました。当時、麻生総理は、目先、我々の船が襲われているわけですから、ほっておいてとはいかない、両方やらないとおかしいと、こういう答弁をされたんですね。ですから、私は海賊対策から撤退しろと言っているわけではありませんで、過去の政府答弁からしても、鎮静化している下で自衛隊派遣は終了して、むしろこういう貧困問題の解決にこそ日本がもっともっと大きな海賊対策における貢献をするべきだと、こう考えるわけです。
ところが、鎮静化する下で、逆に自衛隊の活動は拡大をしております。直接護衛を行うとして派遣をされたわけですが、二〇一三年からは多国籍部隊、CTF151に加わって、当初想定されていなかった海域を分担するゾーンディフェンスに参加をしております。今度の五月からは海上自衛隊の海将補がこのCTF151の司令官に就任をいたします。自衛官が多国籍部隊の司令官を務めるのは自衛隊創設以来初めてのことでありますが、そもそもこのCTF151は米軍がつくったものと、こういう認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
御指摘のCTF151は、平成二十一年一月に、連合海上部隊、これはCMFと言われている部隊でございますが、これにより設置された海賊対処のための多国籍連合任務部隊であって、アメリカのほかオーストラリア、イギリス、トルコ、韓国、パキスタン、現在我が国も参加しているところでございます。このような多国籍有志連合であると認識しております。したがいまして、事実上米軍が設置したという御指摘は必ずしも当たらないのではないかと考えておるところでございます。
○井上哲士君 CMFの指揮下にあるということでありますが、このCMFの司令官は米中央軍海軍と米第五艦隊司令官が兼務しているわけですね。
当時、二〇〇九年五月のアメリカの上院の軍事委員会の公聴会でアメリカ政府はこういうふうに言っておりまして、軍事パートナーと協力して海上の警戒防護区域を設定した。この区域は軍を派遣することにより、より組織的に哨戒活動が行われると。我々は国際的なパートナーに対し、もっと軍を派遣してこれを引き受けるように説得を行ってきたと。こう述べておりまして、米軍が主導して他国軍に参加を求めてきたものは非常に明確だと思うんですね。
その司令官になるわけでありますが、この司令官の任務というのはどういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
CTF151司令官は、CTF151の任務の総括、海賊対処活動を行う各国部隊との情報交換・共有及びCMF司令官に対するCTF151の活動状況等の報告を行っていると承知しております。
CTF151の活動といいますのは、参加部隊が各国の権限と責任で行う活動調整でございます。海賊対処法を含む我が国の法令内の範囲内で司令官もこのような業務を行っていくということになります。
○井上哲士君 先ほどアメリカの上院軍事委員会の証言を紹介いたしましたけれども、各国の軍の派遣を求めてきたということでありますが、さらにこういう証言もありまして、その中でありましたように、米軍は明確に軍事行動としてこのCTF151を位置付けていると思うんですね。
ですから、自衛官が司令官となりまして、その連絡調整の下で他国の参加部隊が武力行使をするということもあり得るわけでありまして、そうなればやはり憲法に抵触してくると、こうなりますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) CTF151の司令官というのは、業務の内容が、私有の船舶等の乗組員等が私的目的のために行う海賊行為を国内法上の犯罪として取り締まることを目的とした海賊対処法の範囲内で実施をいたします。CTFの151司令官は、その上にCMFという司令官等がいるわけでありますが、この関係も連絡調整の関係でありまして、CMFの司令官等からその意に反した活動を強制されるということはございません。すなわち、自衛官がCTF151司令官を務めるに際して、仮に海賊対処法の範囲を超えるために自衛隊が実施し得ない任務が生じた場合には、当該自衛官は当然にこれを拒否することができます。
このため、CTF151の司令官を務める自衛官が海賊対処法に基づく海賊対処行動を超える業務を行うということはなく、当然、憲法上の問題も生じないということでございます。
○井上哲士君 日本の自衛隊がこのCTF151に参加する場合には日本は拒否できると、いろんな任務をですね、そういうお話があったと思うんですが、今度はその司令官に日本の自衛官がなって、その下の連絡調整の下で他国の部隊が武力行使を行うということが起こり得る、これは違う問題だと私思うんですね。
上院の軍事委員会の公聴会では、二〇〇八年の十二月の安保理の決議について、この地域における軍事行動に着手するための追加的権限を付与したと、こういうふうに述べておりまして、明確にアメリカはこの活動を軍事行動として位置付けているわけでありまして、その司令官に日本の自衛官がなると、こういう問題であります。
このように、海賊活動は鎮静化しているのに自衛隊の活動が拡大をしていると。一体なぜかと。私は、そもそもこういう狙いがあったのではないかと。実は、派遣当時の与党のプロジェクトチームの座長は中谷大臣でありました。衆議院の特別委員会の質問にも立っておられますが、こう言われております。軍を出すということは、抑止力やプレゼンスという言葉もあるけれども、各国に伝わり、海賊も重く受け止める、軍隊を出すことは非常に意味がある、日本は海洋国家として世界の海の安全を日本がきちっと守ることを国策の中心に据えて国際社会で確固たる地位を築くべきだと、こういう趣旨の質問をされているわけですね。
私は、当時、参議院のこの委員会でこの中谷さんの質問を引用して、結局海賊活動が鎮静化しても、抑止力とかプレゼンスを理由にして引き続き居座るんじゃないかと、こういう指摘をいたしましたけれども、どうもそのとおりになっているわけですね。
さらに、海賊対処活動の活動拠点と称してジブチに基地は置かれております。当時、小野寺防衛大臣は、恒常的に自衛隊がジブチに駐留するということで使用しているわけではなく、あくまで現状の派遣海賊対処行動隊の活動のための拠点だとしておりました。ところが、今年度、このジブチの今後の活用のための調査研究予算が三千万円計上をされております。
鎮静化している下で、何でこういう予算が、計上する必要があるのかと。海賊対策として自衛隊を派遣したことをてこに、中東での自衛隊の軍事的プレゼンス、その強化を狙っているんではないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
ジブチ拠点の活用につきましては、一昨年の末に閣議決定されました平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱、二五防衛大綱と呼んでおりますけれども、この中におきまして、国際平和協力活動等を効果的に実施する観点から、海賊対処のために自衛隊がジブチに有する拠点を一層活用するための方策を検討するとされておるところでございます。
この大綱に係りました方針を踏まえまして、二十七年度予算に外国における海外拠点の利用状況や費用対効果を調査するための委託研究費約二千五百万円を計上しておるところでございます。
○井上哲士君 先ほど言いましたように、あくまでも派遣海賊対処行動隊の活動のためと言ってここに設置をしたわけですね。
国際平和協力活動の拠点ということも言われましたが、大体、PKOに軍隊を出している国の中でも海外に基地を持つ国というのは四か国しかありません。五か国目に日本がなろうかということになるわけでありまして、まさに私は海賊対策をてこにして恒常的に出していくと、こういうものにされようとしていると思うんですね。
今度CTF151の司令官に派遣される海将補が四月十七日の日経のインタビューに出ておりますが、「安全保障法制が成立すれば、自衛隊の活動内容が広がり、他国軍と協力する機会も増える。」ということに関して、「新天地の教訓を今後の活動に生かしたい」と、こう述べておられます。
つまり、結局この閣議決定の具体化として自衛隊の海外活動を大幅に拡大をする法改正が出されようとしておるわけですが、これと一体となって、この海賊対処活動での拡大をてことして中東における自衛隊の軍事的なプレゼンスを、他国軍との共存の強化を図ろうと、こういうことではないんですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、海賊におきましての脅威の除去、根本的にはソマリの貧困問題がありまして、これはエチオピアとかジブチなどが対応しておりますけれども、まだまだこれは除去されてないということで、海賊の脅威はまだ続いているという観点で、目的は海賊対処という観点でジブチで活動しているわけでございます。
今後どうなるのかというお尋ねでございますが、現在、省内にあるのは二五大綱ということでありまして、今後この活動につきましての検討につきましては具体的な方針はまだ決まっておりませんし、またジブチの自衛隊拠点の強化や活用を特に念頭に置いて検討しているというわけではございません。
○井上哲士君 現実に予算を付けているわけですね。私は、この間、総理が平和国家としての歩みは変わるものでないと繰り返し述べておられますが、こういう海賊対処をてこに、海外での軍事的な基地も確立をし、強化をし、そして存在を高めていくという方向は全く逆の方向だということを指摘をし、その中止を求めるものであります。
次に、水陸両用車についてお聞きをいたします。
自衛隊に水陸両用車として初めて導入されるAAV7でありますが、中期防に五十二両の購入が盛り込まれました。二十七年度予算でも三十両の購入であります。しかし、二〇一三年の四月十五日の予算委員会で当時の防衛政策局長は、二十七年度までに取得し、それから一、二年掛けて性能確認、運用の検証を行い、それにより導入すべきかどうか、機種をどうするか検討すると答弁をしております。
このとおり検証作業が行われれば、機種を二十九から三十年度からの導入になるはずでありますが、大幅に前倒しをされて二十七年度から導入としました。なぜ十分な検証もできないようなこういう前倒しをしたんでしょうか。
○政府参考人(防衛省防衛政策局 次長 鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
御指摘の徳地当時の防衛政策局長の答弁でございますけれども、この当時におきましては、この平成二十五年四月でございますが、AAV7、正確にはRAM・RSというものでございます、これの新古品の取得に向けた交渉を米国政府と行っている中で、これについては具体的な取得可能時期が判明していなかったと。他方におきまして、このAAV7の新造品ですね、新たに造る取得については、いわゆる三か年の国庫債務負担行為ということで約三年を要することが判明していたことがありまして、二十七年度までの取得という旨答弁をいたしましたということで承知しております。
その後、AAV7の新古品につきまして、米国政府との交渉の結果、平成二十六年度初頭にも取得できる見通しが立ったことから、大綱・中期におけます本格的な水陸両用作戦能力を早急に整備するためということもありまして、平成二十五年度予算でその取得に着手し、平成二十六年四月に参考品として取得したところでございます。
以降、この参考品として取得したAAV7の地上の機動性、海上機動性、補給整備性等について各種検証を実施いたしました。その結果として、陸上自衛隊の要求性能を満足するということが確認されましたことから平成二十六年十二月にこのAAV7を陸上自衛隊が取得する水陸両用車として決定したというところでございまして、委員御指摘のように、二十七年度におきましては三十両をお願いしたというところでございます。
○井上哲士君 軍事的対応の強化というのは緊張を激化されるものであって、このような装備強化そもそもに私たちは反対でありますが、一方、国民の税金を使って購入する以上はきちんとした検証が必要であります。
今ありましたように、二十六年度の当初、四月にその参考品が納品をされたと聞いておりますが、それから一、二年掛けて、そもそも導入すべきか、機種をどうするか検討するといったものが、二十六年の末には予算に盛り込まれたと。そこで聞きますけれども、これまで車種選定のための参考品として購入したもののうち、実際に運行させて訓練で検証しているのは何台で、いつから行っているんでしょうか。
○政府参考人(防衛省大臣官房審議官 吉田正一君) お答え申し上げます。
水陸両用車につきましては、参考品としてこれまで六両の予算を計上してございますが、人員輸送型として四両が既に納入されているところでございます。人員輸送型の派生系の車両である指揮通信型及び回収型の二両は、平成二十八年度末に納入される予定でございます。
この納入されております人員輸送型四両につきましては、平成二十六年六月から、先ほど次長の方から申し上げましたような海上機動性や地上機動性等の各種検証を実施しているところでございまして、議員御指摘の訓練としては使用しているわけではなく、検証試験を実施しているというところでございます。
○井上哲士君 実際に走行とか、それから海上でのそういう検証をしているのは何台ですか。
○政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。
そのようなことを試験してございます。
○井上哲士君 いや、そのうち、四両のうち何両がそういう検証をしているんですかと聞いているんです。
○委員長(片山さつき君) 質問にお答えください、吉田審議官。
○政府参考人(吉田正一君) はい。申し訳ございませんでした。
四両ともそういった各種検証に使用しているところでございます。
○井上哲士君 各種検証じゃなくて、実際に走らせたり海上で使ってみるというのはどうですか。
○政府参考人(吉田正一君) 四両のうち、現時点で申し上げますと、まず二両の方は各種検証というふうなものに使っておるところでございまして、あとの二両につきましては日本仕様の改修等の検討に使用しているところでございます。
○井上哲士君 初めから答えてくださいよ。だから、二両は改修しているだけであって、実際にはそういう運行などはしていないわけです。
この水陸両用車両は島嶼防衛のために必要だと言われて、特に尖閣列島のことが強調されてきました。一方、南西諸島で果たして機能するのかというのはずっと指摘されてきたんですね。
自衛隊の富士学校の二〇一一年の普通科の発表について書かれたものを読みましたけれども、それによりますと、南西諸島のサンゴ礁の一般的特性として海岸から五百メートル前後は水深一メートルほどの極めて浅い陸であって、その後、水深二から三メートルの凸凹の激しいリーフが続き、海岸には防潮堤が建設されていると、こう書いてあるようです。
車体が大きくて重くて、そして履帯の接地圧が小さいAAV7は、腹がつかえたりしてこのようなリーフを踏破できないんじゃないか、それから上陸に適した砂浜がなくて防潮堤で囲まれていると、そうすると乗り越えられないんじゃないかということが指摘をされてきたんですね。
こういう南西諸島、とりわけ尖閣周辺の運行の困難さについてどのように認識をされているのか。そして、そういうことができるという検証はどうやって行っているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 確かに、南西地域、南西諸島にはサンゴ礁が多くて、特に島嶼部等におきまして着上陸の際にこのサンゴ礁が地理的な障害になり得るかどうか、これにつきまして検証しております。
この困難な障害となり得る場合もありますので、この海上機動性とか、また地上の機動性等の検証のために、例えば、サンゴ礁を通過する能力を確証するため、サンゴ礁を模擬した施設、これを造りまして運行の可否の検証を実施をしておりますが、この模擬サンゴ礁によって水陸両用車が性能を最大限発揮した上で通過できるサンゴ礁の地形の形状も確認をしたところでございまして、こういった検証をしながら運用を進めてまいりたいと思っております。
○井上哲士君 つまり、南西諸島の実際の場での運行や着上陸ということはやっていないということでよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 模擬サンゴ礁を造りまして、そこで検証しているということです。
○井上哲士君 ですから、実際やっていないんですよ。そして、模擬の場所でやって、しかも検証中であると。これだけ指摘がされながら、実際のリーフの密集地帯でどうなのかということを、実際の場で検証しないままこれだけのものを中期防に盛り込んでいると。
先ほど言いましたように、元々防衛省自身が一、二年掛けて性能確認、運用の検証を行って、導入すべきかどうか、機種をどうするか検討することが必要だと答弁したんですね。ところが、二十六年度の四月に納入されて、そして実際にそういうところで運行できるかどうかも分からないと。模擬試験だけをやって、何でこんな一台七億もするものを五十二台も購入するということが盛り込まれたんですか。こんないいかげんなことないでしょう。どうですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど大臣からお話がございましたように、今回の様々な検証におきましては、サンゴ礁を模擬した施設を用いて様々な検証をいたしました。その結果としまして、その検証の詳細についてはお答えを差し控えますけれども、このサンゴ礁の問題も含めて、AAVの有効性を覆すような結果は得られておらないというところでございます。
そして、なおかつ、現下の安全保障環境を踏まえれば、島嶼部に対する攻撃への対応に万全を期すため、この水陸両用作戦能力の着実な整備というのが喫緊の課題だというふうに考えておりまして、こうした水陸両用車について一刻も早く戦力化することが極めて重要であることから、今のような現状になっているというところでございます。
○井上哲士君 実際に現場で使えるかどうか、確かめてないわけですよ、一刻も早くと言われますけどね。やってみたらできなかった。今度はどうするんですか。元々我々はこういうものは必要ないという考えでありますが、こんなええかげんな購入の仕方ないと思いますよ。
しかも、元々これは既に四十年経過しておりまして、老朽化したアメリカでは新たな水陸両用車の開発を進めておりまして、この生産ラインはもう閉鎖をされているはずでありますが、チリは中古の購入、韓国はライセンス生産と聞いておりますが、日本はどうするんですかね。生産ラインを再開をさせるという場合にはどのメーカーになるのか、そしてその再開の費用も日本が負担すると、こういうことですか。
○政府参考人(吉田正一君) 先生御指摘の点でございますが、米国における水陸両用車の製造メーカーはBAEシステムズであると承知してございます。
あと、今先生が、製造ラインが閉鎖しているかというふうなところでございますが、私どもとしては、製造ラインが閉鎖しているというふうなことでは承知しておりませんし、米国政府からは日本が希望する車両数を必要な時期に供給することは可能であるというような回答を得ているところでございます。
○井上哲士君 製造がされていない、現時点では、というのは確かな話でありまして、とにかく中期防にこれを盛り込むというために、もうアメリカでは老朽化して製造が終わったものを実際の現場の検証もなしに購入をすると。私は、税金の使い方としても極めて問題でありますし、軍事的な緊張の拡大にしかならないと、こういうものは中止すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。