国会質問議事録

ホーム の中の 国会質問議事録 の中の 2019年・198通常国会 の中の 予算委員会(辺野古新基地建設 軟弱地盤・活断層問題)

予算委員会(辺野古新基地建設 軟弱地盤・活断層問題)


○委員長(金子原二郎君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 沖縄の県民投票で辺野古新基地反対の揺るがぬ民意が示され、十九日には、県民を代表して玉城知事が総理と会談し、土砂投入と工事の中止を求めました。にもかかわらず、この民意を全く無視をして、一昨日、中止どころか新たな区画に土砂が投入をされました。日本の民主主義そのものに土砂をかぶせる暴挙だと言わなければなりません。満身の怒りをもって抗議をいたします。
 総理は、県民投票を真摯に受け止めると繰り返されてきました。県民投票の何を受け止めたら、新たな区画への土砂投入という結論になったんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 沖縄の負担軽減は政府の大きな責任であり、特に、住宅や学校で囲まれ世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思います。
 このため、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組むというのが政府の基本方針であります。具体的な移設工事については、その方針の下に防衛大臣が適切に判断し実施しているものと承知をしております。
 我々といたしましては、今後とも沖縄の基地負担の軽減に全力を尽くしていきたいと、こう考えております。

○井上哲士君 政府の基本方針述べただけなんですよ。私は、県民投票の何を受け止めたかと聞いたんです。ちゃんとお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この県民投票に込められた思いというのは様々な思いがあるんだろうと、こう思っておりますが、その中におきましても、沖縄の基地負担の軽減をしっかりと進めてもらいたいということでもあろうと、こう思います。
 その中におきまして、先ほど申し上げましたのが政府の基本方針でございまして、この基本方針の下に防衛大臣が適切に判断し実施をしていると考えております。

○井上哲士君 いや、あなた方が知事選挙はいろんな争点があると言ってきたから、この一点で県民投票をやったんですよ。七割が反対だったんですよ。この事実を受け止めないんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米軍基地が沖縄に集中をしているという状況を変えてもらいたいということであろうと思います。
 米軍基地の七割が沖縄に集中しているという状況は是認できないというのが沖縄の皆様のお気持ちであると、こう思います。この思いにつきましては、国も全く同じ思いであり、現状は到底是認できるものではないと、こういうことでございます。
 在日米軍の抑止力は国民全体が享受しているものであり、基地負担も全国民が様々な形で分かち合うことが必要であると考えておりまして、沖縄の負担軽減は政府の大きな責任であると、こう考えております。

○井上哲士君 いや、ちゃんと答えてくださいよ。県民投票の七割は、辺野古の基地反対なんです。この事実自身を受け止めないんですかと私は聞いているんです。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 従来から答弁をさせていただいておりますように、この県民投票について評価する立場にはないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、沖縄にこの米軍基地が集中をしているという状況については、我々、これはまさに負担軽減を、これに対して実際に今まで一つ一つ結果を出してきたところでございますが、この負担軽減に向けて今後とも全力を尽くしていきたいと、こう考えております。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 県民投票は地方自治体における独自の条例に関わる事柄であるため、その結果について政府として評価を加えるようなことは差し控えたいと、こう考えております。
 先ほど申し上げましたのは、その中であえて申し上げれば、様々な思いが込められているんだろうということについて申し上げたところでございますが、それ以上につきましてはお答えは差し控えさせていただきたい。
 ただ、この沖縄に米軍基地が集中をしているという中におきまして負担軽減に全力を尽くしていきたいと、こう考えております。

○井上哲士君 様々な思いじゃないんです。辺野古基地反対の一点のこういう結果が出たんですよ。これを一顧だにしない。玉城知事は、民主主義を踏みにじる、地方自治を破壊するものだと、激しい憤りを覚えるとコメントをされました。まさにこのとおりだと思います。
 しかし、幾ら強権を振るっても、辺野古の基地は造れません。軟弱地盤を政府も認めました。途方もない時間の掛かる難工事になる。そもそも、知事の許可がなければ進みません。
 先日、防衛大臣は、仮定の問題には答えられないと言いましたけれども、これは仮定じゃないんです。知事はもう繰り返し、設計変更は認めないと言っています。その下では工事できないんじゃないですか。

○防衛大臣(岩屋毅君) 私どもとしては、今般の調査結果に基づいてこれから詳細な設計を行いまして、沖縄県に設計変更の承認願を出させていただきたいと、説得力のある、御理解いただけるものをしっかりお示しをして承認をいただきたいと、そのために努力をしてまいりたいというふうに思います。

○井上哲士君 いや、これだけ県民投票に示された民意に泥を掛けておいて、それで理解が得られると、そういうふうにお考えになっているんでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) 先ほど総理が述べられたとおりですけれども、普天間の返還を決めてから二十三年、辺野古に場所を決めてから二十年動いてこなかったこの問題を解決をして、普天間飛行場の全面返還、沖縄の負担軽減に何としてもつなげていきたいという思いで事業を進めさせていただいているところでございます。

○井上哲士君 民意に背いて辺野古の新基地にしがみつく限り、結局それが普天間の固定化になるんですよ。
 具体的に軟弱地盤についてお聞きしますが、C1護岸の予定地に当たるB27のポイントで新たな地質調査を行ったら、水面下九十メーターまで軟弱地盤だったと。にもかかわらず、このポイントでのN値調査を行わずに、離れたボーリング調査から類推をして、七十メーター以下は非常に固い粘土層に分類されるから改良工事は必要ないと答弁をされてきました。
 まず聞きますけれども、新たな調査を行った五十二本のうち、ボーリング調査を行わなかったのは何ポイントでしょうか。

○防衛省整備計画局長(鈴木敦夫君) 追加のボーリング調査、五十二本でございますが、このうち、コーン貫入試験、これを行った箇所は十五地点というふうに、ございます。

○井上哲士君 つまり、大半はボーリング調査しているんですよ。何でB27ポイントではボーリング調査行わずにN値調査も行わなかったんですか。

○政府参考人(鈴木敦夫君) 地盤調査に当たりましては、土の層の分布ですとかそれぞれの土の層の強度を把握する必要がございます。それには、音波探査ですとかボーリング調査とともに、各ボーリング調査の地点の間で地盤の特性を把握するコーンの貫入試験、こういうことを行うなどして把握しているというのが一般的であると認識してございます。

○井上哲士君 当初、水面下七十メートルと言われたんですね、軟弱地盤は。ところが、この追加調査で九十メーターまであったと。我々も驚きましたよ、そこまであったのかと。しかも、ケーソン護岸の真下の一番肝腎なポイントじゃないですか。だったら、念入りに調査するのは当たり前じゃないですか。コーン貫入やるのはいいですよ、何で直接ボーリングやらないんですか。理由にならないと思いますよ。

○政府参考人(鈴木敦夫君) 申し上げますと、御指摘のB27地点の強度の確認方法について申し上げれば、その付近のS3地点、これらでボーリング調査を実施し、そこで得られたサンプル、試料ですね、これを用いた室内試験によりまして、S3地点を含む水深約七十メートルより深いところの土層は非常に固い粘土層に分類されることが確認されておるということでございます。
 そして、B27地点では、先ほど申し上げましたコーン貫入試験ですとか、それから一部サンプルを使いました物理試験、こうしたものを実施し、土の性質を確認したところ、水深約七十メートルより深いところの土層はS3地点のものと同じものであるということが分かりましたので、非常に固い粘土層に分類されるということが確認されたというものでございます。

○井上哲士君 これ、直接やらない理由には全くならないんですね。
 それで、実測はしていないものの、このB27ポイントのN値の推測値というのが出ていると思います。先ほど防衛大臣は、非常に固いというのはN値十五から三十だというふうに答弁をされましたけれども、この七十メーター以降から九十メーターのB27ポイントの五メートルごとのN値の推測値はどうなっているでしょうか。

○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘のB27地点のコーン貫入試験の結果から求められたいわゆる換算N値でございますが、水面下約七十メートルで三・六六、約七十五メートルで五・四四、約八十メートルで八・九八、約八十五メートルで八・七七、約九十メートルで六・四四というふうになってございます。

○井上哲士君 違うじゃないですか。非常に固いN値十五から三十の固さだと言ったけれども、今の数字全部下ですよ。全然違うじゃないですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 今の説明をさせた数字は換算数値なんですね。そして、粘性土のN値は、換算N値は、砂地盤と比べて信頼度が非常に小さいと考えられております。したがって、室内試験によって実際の強度を確認をすることが一般的だというふうに承知をしておりまして、その調査によれば、N値でいえば十五から三十の非常に固い層に分類をされるということでございます。
 ちなみに、換算N値を用いて設計をするというのは一般的ではないと、あくまでもその室内試験の結果に基づいて設計をすることが妥当であるというふうに承知をしております。

○井上哲士君 いや、大臣が非常に固いN値十五から三十の地層に分類をされると答弁をされたから、実際の換算はどうなのかと聞いたら、低いんですよ。これどうやって、どうやって、では、この換算出したんですか。

○防衛省大臣官房審議官(宮崎祥一君) コーン貫入試験におきます換算N値につきましては、試験によって得られたセンサーによって測りました先端抵抗等を、既往の研究成果を基にして定められております換算式に当てはめて求めたN値の推定値でございます。

○井上哲士君 だから、実測したらいいんですよ。
 そもそも自分たちで答弁しながらですよ、都合が悪くなったら信頼度が低いと。そんな信頼度が低い答弁しないでくださいよ。
 そもそも、三月五日の予算委員会で、お手元の資料ありますように、我が党の小池委員が、現有作業船の能力では工事可能な最大深度が七十メーターだから、それに合わせて七十メーター以下の地盤改良工事が必要でないと言い出したんじゃないかと、こういうふうに質問いたしました。防衛大臣、否定されましたけれども、お手元にありますように、こう書いてあるんですね。改良深度等については、専門工事業者へのヒアリングから、現有作業船の能力等を考慮し、最大深度は七十メーター程度にすると、ぴったり書いてあるじゃないですか。どうなっているんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 一般に、海洋土木工事の場合には、必ずしもその層に完全に到達するくい打ちではなくても安定性を確保して施工ができるとされていると承知をしております。
 報告書のその書きぶりは、私は必ずしも適切ではなかったというふうに思っておりますが......(発言する者あり)いやいや、誤解をされるおそれがある表現だったかもしれませんけれども、操作船、作業船の能力から七十メートルということを言っているわけではなくて、あくまでも海洋土木工学的な見地から検討した結果、最大深度七十メートルのくい打ちで十分に安定性を確保して施工をすることができると確認をしたところでございます。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(岩屋毅君) 書きぶりが不適切と表現したのは不適切でございましたので、撤回をさせていただきたいと思います。
 ただ、誤解を招くおそれがあったかもしれないけれどもと先ほども申し上げましたけれども、作業船の能力によって七十メートルということを言っているわけではなくて、あくまでも水面下七十メートルを超える深度では、あくまでも作業船の能力によってその数字を出しているのではなくて、海洋土木工学的な見地から検討を行った結果、安定性が確保できると確認をしたところでございます。

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどの私の表現は必ずしも適切ではなかったと思うので、それは取り消したいと思いますけれども、報告書には、この記述が出てくるまでに様々、土質についての分析結果が書かれておりまして、その後、改良深度等については、専門工事業者へのヒアリングから現有作業船の能力等を考慮し、改良可能な最大深度はマイナス七十メートル程度とすることを云々という記述になっているわけでございますけれども、ここだけを読むと、あたかもその作業船の能力がそうだからその程度の工事にとどめると読まれるおそれがあったのではないかということを私は申し上げたんですけれども、実際には、報告書にある様々な調査結果に基づいて、この最大深度マイナス七十メートルの施工で十分に安定的な施工ができるということを確認をしたということを申し上げているわけでございます。

○政府参考人(宮崎祥一君) 今大臣が御説明されたとおりでございますが、報告書の前半では、その安定計算をするための設計条件がいろいろと書かれております。その中で、検討条件としまして、波の条件ですとか土質条件、それから施工性の条件として作業船の能力等が条件として書かれているものでございます。その後、後半の安定性の検討の中で、先ほど大臣がおっしゃいましたとおり、安定性の検討をした結果としてあの七十メートルというのが導き出されたところでございます。

○井上哲士君 そうであったら、改良が必要な最大深度と書くはずなんですよ。そうじゃなくて、何で改良可能な最大深度になっているんですか。つじつま合わないじゃないですか。(発言する者あり)

○政府参考人(鈴木敦夫君) 申し上げますけれども、先ほどその記述がありますところは、この全体の報告書の百七十四ページ、百七十ページを超える中におきまして、前半部分の検討条件、工法の検討、様々な中でそういう記述がございます。
 ただ、これは、全体を受けまして、検討条件、工法の検討、それから護岸の安定性の検討、施工の検討、環境影響への検討、これを踏まえまして、まとめのところに私ども申しているところの七十メートルの一般的な工法によりまして安定的な工事ができるというようなことを記述しているものでございまして、このまとめのところがそれまでの過程をまさに総括しているものというところでございますので、こちらのところが、私どもが今回一般的な工法で七十メートルまでの施工で可能だというところでございます。その部分を取って全体を総括することはできないというふうに考えてございます。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

○政府参考人(宮崎祥一君) 先ほど御説明いたしましたとおり、作業船の能力七十メートルというのは、工法の検討の中でそのプロセスとして設定したものでございます。その後、報告書の中盤で安定性の検討を行っております。
 最終結論としては、ちょっとページで恐縮なんですが、七十七ページに標準断面図として、七十メートルまで改良することの図面を掲載させていただいております。さらに、一番最後のページのまとめで、これで安定性が確認できたということを報告書の方では述べているところでございます。

○井上哲士君 とにかく、全く説明になっていません。こんな報告書に基づいて七十メーター以下の改良工事は必要ないなんということはとても言えないと、撤回をしていただきたいということを申し上げておきますが。
 もう一点、活断層の問題でお聞きをします。
 お手元に資料を配っておりますけれども、新たに研究者から、この辺野古の、二つの断層を挟んで東側と西側で堆積物が違うということから、活断層の可能性が高いというふうに言われております。この代表の立石新潟大名誉教授は、安全のための本格的調査を求めております。工事を中止して調査をするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) これも先ほどお答えをさせていただきましたけれども、防災対策上考慮すべき地震に関わる国内の知見を包括的に集約し提供している地震調査研究推進本部のデータにおいても、あるいは最新のデータベースである活断層データベースにおいても、あるいは日本全国の活断層が網羅的に記載された活断層詳細デジタルマップにおいても、辺野古沿岸域における活断層の存在を示す記載はございません。
 私どもとしては、これら権威ある文献等において活断層の存在を示す記載がないということを確認した上で事業を進めているところでございます。

○井上哲士君 その今引用された権威ある活断層データベースのホームページを見ますと、長さ十キロメートル未満の活断層や、まだ十分に確認されていない活断層は収録されていないので御注意くださいと書いてあるんですよ。
 大臣、御存じですか、この記述。

○政府参考人(鈴木敦夫君) その記述は承知してございます。

○井上哲士君 大臣、御存じですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 事前に説明を受けておりますので、承知しております。

○井上哲士君 だったら、これまでにないからここにないなんて言えないんですよ。
 答弁にあった地震研究推進本部の事務局でもある文科省の部局と気象庁が、「活断層の地震に備える」というパンフレットを出しております。その九州・沖縄地方版、ここに持っておりますけれども、これまで存在が知られていないから活断層がないなどと言えるのか、このパンフにはどういうふうに書かれているでしょうか、その根拠も含めてお願いします。気象庁。

○国土交通省気象庁長官(橋田俊彦君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございましたパンフレットでございますけれども、平成二十八年熊本地震を踏まえまして、一般の方々の陸域の浅い地震に対する事前の備えを促進をしていく防災の観点から、文部科学省と気象庁が共同で作成したものでございます。
 その中では、もちろん活断層について、過去に繰り返し地震を起こし、将来も地震を起こすと考えられている断層を活断層と言うというように言った上で、このパンフレットでは、活断層が確認されていない場所でも地震が起こることがあるという一般的な注意を促す観点から、活断層では地震の規模がある程度大きくなければ地表に断層のずれが現れません、また、断層のずれが地表に現れていた場合でも、その後の浸食や土壌の堆積により痕跡が不明確になり、見付かっていない断層があるかもしれませんと一般的な注意を促す記述を行っているところでございます。
 以上です。

○井上哲士君 日本の周辺には約二千もの活断層があり、それ以外にもまだ見付かっていない活断層が多数あると言われています、こう書いてありますね。

○政府参考人(橋田俊彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、当該パンフレットには、日本の周辺には約二千の活断層があり、それ以外にもまだ見付かっていない活断層が多数あると言われていますとの記述がございます。この記述につきましては、日本には、リニアメントと言われるような線状な特徴を有する地形や断層のような地形などが多く認められるなど、活断層の可能性を有するものがあることを踏まえた記述であると承知しております。
 活断層につきましては、先ほど申しましたとおり、過去に繰り返し地震を起こし、将来も地震を起こすと考えられている断層とされておりまして、一般論といたしましては、それらそれぞれに調査をした結果として活断層と認定する場合もあれば、その地形が地震以外により生じたものであったり、将来地震を起こす断層とは言えない、すなわち活断層とは言えない場合もあるというような状況だと理解しております。
 以上でございます。

○井上哲士君 何をそんたくされているのか、分かりにくく言われますけど、要するに、見付かっていない活断層が多数あるということなんですよ。これは一般論じゃありません。二〇一六年の熊本地震で大きな被害がありましたけれども、その後、二〇一七年の十月に国土地理院が、五か所、計十七・三キロメートルにわたり、新たな活断層を確認したと発表しているんですね。地震で新しいのが発見されているんですよ。これ、熊本地震だから大臣御存じじゃないですか。
 ですから、過去の文献にないから活断層が存在しないと、こういう非科学的な見解は通用しないと思いますけれども、撤回していただけますか。

○政府参考人(鈴木敦夫君) 基本的には、空港の土木施設ですとか港湾の施設の設置に際しまして、活断層につきましては、文献などの既存の資料による調査を実施するもので現地調査までは実施していないというふうに認識してございます。
 なお、この普天間飛行場代替施設におきます護岸等の構造物につきましては、この護岸等の耐震性能につきましては、那覇空港滑走路増設事業を含みます他の事業と同様に設計を行っておりまして、この設計で用いた地震動を用いることは、沖縄県に提出し承認を得ておりますところの公有水面埋立願書にも記載されているというところでございます。

○井上哲士君 いやいや、答えていないんですよ。
 過去の文献にないから存在しないとは言えないですねと、大臣、いいですか、それで。

○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどの気象庁の説明を聞きましても、一般論として活断層でないところでも地震が起こり得るということを述べたという説明でありましたけれども、それであれば日本中どこでもそうなのであって、だから、これまでの港湾の工事、空港の工事等は最も権威のある文献に基づいて判断をしてきていると、それが一般的なやり方であるというふうにお答えをしているところでございます。

○井上哲士君 そうじゃないんですよ。まだ見付かっていないものであっても活断層があると、過去の文献にないからないとは言えないでしょうと私は聞いているんです。

○政府参考人(鈴木敦夫君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、様々言及させていただきました権威ある文献等におきまして、辺野古の沿岸域において活断層の存在を示す記載はないということを十分に確認しておるというところでございます。
 それから、更に申し上げれば、こうした既存の資料による調査を実施するもので空港の土木施設や港湾施設等の設置は行われているものでございまして、更に調査を実施するというようなことがないというふうに認識してございます。

○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどもお答えしたとおり、例えば、じゃ、那覇の第二滑走路工事、羽田の工事等々、やはり権威あるその文献に基づいて判断をした上で事業が行われているわけでございますから、辺野古において何か特別なことをやっている、手を抜いているということでは全くございません。

○井上哲士君 その権威あるものがないからといって、そこには、過去にないからといって、ないとは言えないと言っているんですよ。
 そして、これ一般論じゃないんですね。今お配りしたように、様々な研究者が調査に基づいて、ここに可能性が高いと指摘をしているわけですから、だから追加調査をするべきだと言っているんですよ。安全のため当然じゃないでしょうか。総理、是非これ指示してください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に防衛大臣から答弁をしているとおりでございます。

○委員長(金子原二郎君) 井上君、時間が来ています。

○井上哲士君 とてもこのような工事を進めることはできないし、中止をすることを改めて強く求めて、質問を終わります。

○委員長(金子原二郎君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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