国会質問議事録

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外交防衛委員会(特定防衛調達特措法 反対討論)


○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、内閣提出の特定防衛調達特措法の一部を改正する法律案及び修正案のいずれにも反対の立場から討論を行います。
 本法案は、自衛隊の装備品や役務などの防衛調達に関して、財政法が定める国庫負担行為の五年の年限を超えて最長十年まで認める特例を定めるものであり、二〇一五年に制定された現行法の期限を更に五年延長するものです。
 反対する理由の第一は、本法案が財政民主主義に反するものであり、国会の予算審議権を著しく侵害することです。
 憲法は、財政民主主義の大原則から、予算単年度主義を取っています。そこには、過去の侵略戦争で軍事費を単年度主義の例外とし、戦費調達のために大量の国債を発行するなどして、国の財政と国民生活を破綻させた痛苦の教訓があります。
 戦後、財政法を制定した際に、例外として国庫債務負担行為の年限を三年としたのは国会議員の任期が理由の一つにあったことは財務大臣も否定できませんでした。
 その年限を五年はおろか十年にまで延長し、将来の軍事費を先取りすることは、まさに財政民主主義に反して国会の予算審議権を侵害するものにほかなりません。
 第二は、法案が財政の硬直化を一層進めることです。
 安倍政権の下で進む軍備の大増強によって、装備品、役務等の調達のための軍事費の後年度負担はどんどん膨らみ、国民負担の増大とともに予算の硬直化を深刻なものにしています。
 二〇一五年の法案審議の際、当時の防衛大臣は、長期契約について、財政の硬直化を招くことがないよう実施すると答弁しました。ところが、特別防衛調達も含めた後年度負担の累計額は年々増加し、特措法を施行した一五年度からほぼ一兆円も増え、五兆三千六百十三億円に達しています。国会答弁に反して財政の硬直化を進めた政府の責任は極めて重いと言わなければなりません。後年度負担増加の根本の原因である軍備の大増強計画の見直しこそ不可欠であります。
 なお、修正案は、今指摘した内閣提出の法案の問題を解消するものとは認められません。
 以上を述べ、討論を終わります。

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