国会質問議事録

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災害対策特別委員会(能登地震、6月豪雨災害について)

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 震度六強を珠洲市で観測した五月五日の地震から一か月余りが経過をいたしました。私も発災翌日の六日に現地入りいたしまして、先ほど来出ております正院地区に私も行ってまいりました。足立委員が配付されたと、同じところを私も見てまいりました。
 珠洲市は、先ほど来ありますように、過疎化、高齢化が進んで、一年前にも大きな地震があって、行革による職員減でマンパワーも足りない、それから、金沢から車で二時間半掛かりますから、なかなかボランティアも大変だという状況があります。先ほど、今日の閣議で局地激甚災害と指定がされたということは現地を励ますと思いますけれども、本当にもっと希望を与えるような支援をしなければ一層困難が進むと思うんですね。
 珠洲市はこの半島振興法の対策実施の対象地域となっておりますが、同法の第十五条の四では、防災対策の推進として、国は、災害が発生した場合において住民が孤立することを防止するため、救助その他の保護を迅速かつ的確に実施するための体制の整備及び関係行政機関との連携強化その他の防災対策の推進について適切な配慮をするものとすると、こう明記もしております。
 是非この立場に立って、この市からの要請に基づいてという立場から一歩踏み出して、プッシュ型でこの公的支援の情報を住民に届くように珠洲市、県と協力して人的、財政的支援を強化していくことが必要だと思うんですね。
 先ほどの答弁で柔軟という御答弁もありましたけど、この制度に被害を合わせるんじゃなくて、被害実態にこの制度を柔軟に合わせるということも必要だと思います。その点で、大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(谷公一君) お答えさせていただきます。
 今委員御指摘の半島振興法の防災対策の推進についての配慮、これは平成二十七年の改正で、様々な配慮規定、全部で八つぐらいあったかと思いますが、その中の一つとして追加されたということを承知しております。そういうことも我々はしっかり踏まえた対応を取らなければならないというふうに思っております。
 委員御指摘のとおり、確かにこの珠洲市は過疎化、高齢化あるいは空き家の高さ、またマンパワー不足という様々な課題がある地域でございますので、そういったことを踏まえた対策ということを今まで全力を挙げて取り組んできたところであります。
 人的支援の面では、発災当日から内閣府の調査チームを派遣することとか、あるいは関係省庁でも、国土交通省ではテックフォース、農林水産省ではMAFF―SATという現地派遣チーム、また環境省でも環境事務所職員等もそこそこ相当の人数を把握している、派遣していると承知しているところであります。
 国だけではなくて、石川県及び石川県内の市町村から被害認定業務のための応援職員を派遣しているということを承知しているところであり、財政的な支援の面でも、石川県とも緊密に連携しながら、災害救助法の適用、また珠洲市においては被災者生活再建支援法の適用、そして御指摘の今日閣議で正式に決まりました局激の指定も行ったところであります。また、あわせて、石川県や三つの市町、災害救助法適用の三市町に対しましては、内閣府から災害救助法の運用や被害認定調査に関するオンライン説明会をその都度開催して丁寧に情報をお伝えしてきたところであります。
 引き続き、被災自治体に寄り添いながら、可能な限り弾力的な運用で被災者の生活再建と迅速な復旧復興に引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○井上哲士君 是非、プッシュ型で制度の弾力的な運用を求めたいと思います。
 具体的に聞きますが、例えば罹災証明の発行状況について、六月八日現在で申請千六百件のうち発行は八百九件と半数を超えたところだとお聞きしました。発行業務の市外からの自治体職員への応援派遣はあるものの、まだ申請から発行まで二週間程度待つという報道もありましたし、車がなくて罹災証明の申請まで市役所まで行く手段がないという声も出されておりまして、申請ができていない被災者もいらっしゃると思うんですね。
 昨日の総務省からの説明では、家屋被害調査業務では石川県庁から五人、県内市町村から五人の応援派遣を受けていて、今日中に家屋被害業務の調査は終了する予定だとお聞きをいたしましたが、それ以外の様々な応援派遣はどうなっているのか、災害ボランティアの受入れや手配、仮設住宅建設や引っ越し、災害ごみの対応などなどあると思うんですけれども、そういうところへの応援派遣どうなっているのか、人手は足りているのか、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 ただいま委員から御指摘がありましたように、被害認定調査につきましては、石川県や石川県内の市町村から応援職員が珠洲市に派遣をされております。
 この職員派遣につきましては、当初は本日九日までの予定となっておりましたが、被災地のニーズを踏まえ、今月二十三日まで応援期間を延長したと伺っております。
 このほか、災害廃棄物の処理や被災建築物の応急危険度判定、水道、下水道の復旧、福祉の分野につきましても、石川県及び石川県内の市町村から応援派遣が行われ、このうち、災害廃棄物の処理につきましては応援派遣が継続をしていると伺っております。加えて、先ほど大臣からも申し上げましたが、地震発生直後には、国土交通省や農林水産省などからも職員が現地に入って災害対応に当たってきております。
 現在のところ、珠洲市においては、石川県及び石川県内の市町村から応援職員を受け入れて対応をしてきております。県外から応援職員を派遣してほしいとのお話は今のところ伺っておりませんが、今後要請があった場合には、関係省庁とも連携をし、適切に対応してまいります。
○井上哲士君 非常に奥ゆかしい住民の方が多くて、大丈夫言われて家に入ったら、いろいろ大変だったという話も聞くんですね。
 是非、ニーズを積極的に捉えて支援を強めていただきたいと思うんですが、その際、被災者見守り・相談事業制度についてお聞きしますが、衆議院では、この制度の対象に珠洲市はなるという答弁でありましたけども、市の職員や社協の職員などがこの見守りや相談に充てるという、当たるということになると思うんですが、よりマンパワーが不足している地域でありますから、この制度によって見守りや相談活動を行う新たな職員を雇用したりすることも可能なんでしょうか。そして、そういうこの具体的な活用について、珠洲市にはどのように相談、働きかけをされているのか、お願いします。
○政府参考人(本多則惠君) お答え申し上げます。
 被災者の見守り・相談支援事業では、被災者が応急仮設住宅に入居するなど異なる環境の中でも安心した日常生活を営んでいただけるよう、孤立防止等のための見守り支援や日常生活上の相談を行った上で各専門相談機関につなぐなどの支援を行っております。
 この事業では、新たな職員の雇用も可能でございます。新たな職員の雇用も含めて、被災者支援に従事する方の人件費についても補助対象としているところでございます。
 また、発災直後から石川県と連絡を取っておりますが、災害救助法に基づく応急仮設住宅の建設が始まったとの情報を受けまして、石川県及び珠洲市の担当者に対して、本事業の事業概要やほかの活用事例等の提供、情報提供を行っているところでございます。
 今後も、同事業の活用も含めて、被災者の方々が安心した日常生活を営んでいただけますよう、引き続き、県や市との緊密な連携の下で適切に対応してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 是非、自治体と力を合わせて進めていただきたいと思います。
 ちょっと順番を変えまして、先週二日からの梅雨前線と台風二号による豪雨被害に関わって、国土交通省にお聞きしますが、静岡県磐田市の敷地川の堤防決壊についてお聞きします。
 この堤防の決壊で、床上・床下浸水、二十九件の被害が出ておりますが、去年九月の台風十五号水害でも同じ場所が決壊をしたわけですね。本格的な復旧工事は今年の秋以降の予定とされていたわけでありますが、当時から、なぜ本工事がそんなに先なのかと、もっと早くしないとまた水害が生じるではないかという声が当たったという格好になりました。
 自治会長を始め被災住民の方から党でも話を聞いておりますけども、前回の土のう積みの応急復旧が行われたけども、それだけでよかったのかと、今回、土のう積み以上の補強が行われると聞いているけども、応急復旧が適切だったのか、きちっと説明をしてほしいし、そして一刻も早く本格的な復旧工事を行ってほしいと、こういう要望出されておりますけども、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡村次郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、台風十五号、昨年の台風十五号で被災をしたことから、現地においては改良復旧事業を実施しておりましたが、今般の大雨により仮堤防が決壊をし、浸水被害が発生をいたしました。
 このため、河川管理者でございます静岡県では、大型土のうによる決壊箇所の締切りを緊急的に行って、六月の五日に完了させております。そして、今回の被災の状況を踏まえて、更に強固な応急対策の準備が進められているところでございます。応急対策の後には本復旧が必要となってまいりますけれども、この本復旧に向けましては、今回の被災原因の詳細な調査、そして対策の検討を今進めているというふうに伺っているところでございます。
 先生御指摘のとおり、地域の方々への説明、非常に重要なことだというふうに認識しております。被災状況などに関する説明会を早期に実施するため、現在その調整を進めているというふうに承知しているところでございます。
 国土交通省といたしましては、昨年に続いた被災であるということから、被災直後にテックフォースを派遣し、そしてその後、災害査定官を被災箇所に派遣をいたしまして、応急対策及び本復旧に向けた技術的な助言、これを行っているところでございます。早期の本復旧に向けて、引き続き静岡県と連携を図りながらしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
○井上哲士君 住民の皆さんの声しっかり聞いて、対応を強めていただきたいと思います。
 先ほども線状降水帯の情報提供、三十分早めたというお話がありました。ちょうど五月二十五から開始した直後だったわけですけども、その運用基準を見直した理由や目的、それからこれの周知状況はどうなのかということと、併せてお聞きしますが、私どもも豊橋や磐田市、浜松、豊川など行ってきましたけど、こういう新しい基準にもかかわらず、多くの住民からは非常に、この避難指示の発令があっても、例えば道路やアンダーパスなど冠水するおそれがあるところの対応とか、避難指示等の発令が遅かったんじゃないかと、こういう声も聞くわけですね。だから、新しいこの前倒しが地方自治体の対応にどのように反映しているのか、どのように周知しているのか、そして適切な対応が行われているのか、これ気象庁と内閣府になっていますが、それぞれお願いいたします。
○政府参考人(大林正典君) 気象庁よりまずお答え申し上げます。
 気象庁では、線状降水帯による大雨に対して、迫りくる危険から直ちに避難を促すため、これまでは発表基準を実況で満たしたときに発表していた顕著な大雨に関する気象情報について、委員から御紹介ありましたとおり、本年五月二十五日からは、予測技術を活用し、最大で三十分程度前倒しして発表することとしたところです。
 この取組により、災害発生の危険度が急激に高まっていることを少しでも早くお知らせすることが可能となるため、自治体においては、避難情報の発令状況や防災体制の再確認を行う等により、より早く適切な防災対応を取っていただけるものと考えております。
 これらのことにつきましては、本年五月の運用見直しに際し、各地の気象台を通じて自治体に対して説明を行い、周知を努めてきたところでございます。
○委員長(三浦信祐君) 時間が来ておりますので、簡潔に願います。
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 各自治体におきましては、気象台からの情報等も踏まえて、六県において災害対策本部が設置され、三日午前の時点で、十三都府県七十五市町村で避難指示が発令されるなど、災害による犠牲者を一人でも少なくするための対応が関係機関一体となって行われてきたと考えております。
 現段階において各自治体における防災対応が適切であったかどうかというのは判断することはできませんけれども、防災対策について、内閣府としてはしっかりと講じられるよう、適切な防災対応が取られるよう取り組んでまいりたいと存じます。
○井上哲士君 終わります。ありがとうございました。

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