国会質問議事録

ホーム の中の 国会質問議事録 の中の 2023年・212臨時国会 の中の 内閣委員会(国家公務員の一般職給与法改定案に賛成、特別職給与法改定案に反対の討論)

内閣委員会(国家公務員の一般職給与法改定案に賛成、特別職給与法改定案に反対の討論)

○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、国家公務員の一般職給与法等改正案に賛成、特別職給与法等改正案に反対の討論を行います。
 激しい物価高騰に国民生活が深刻な打撃を受ける中、特別職給与法案で岸田総理や大臣などの給与を引き上げることに国民の怒りが広がっています。
 三十年に及ぶコストカット型経済を進め、日本を賃金の上がらない国にしてきた自民党政治の責任は重大です。それに反省もなく、国民が望む消費税減税には背を向けて、軍拡増税や社会保険料の負担増が押し付けられようとしています。
 その一方で、賃上げの流れを止めないために必要だなどとして首相らの給与を引き上げることに到底国民の理解は得られません。引上げ分は国庫に返納するとしていますが、国民は納得しません。特別職の給与引上げはやめるのが当然です。
 一般職の給与法案は、給与を引き上げるものであり、賛成としますが、僅か一・一%の賃上げで、物価上昇分に追い付かない不十分な内容です。国家公務員の給与は多くの労働者の給与に影響を与えます。賃上げの流れを止めないというのならば、公務において率先して抜本的な賃上げを実現することこそが政治の責務であります。
 ところが、実態はどうか。初任給は引き上げられますが、高卒初任給の時給は九百二十二円で、都市部の八都府県で地域別の最低賃金を下回ったままです。地域手当の非支給地域では、大卒で七千円、高卒で三千円、民間よりも低いままです。
 新設される在宅勤務手当は、テレワークの実態に合わない低水準のもので、職員の自己負担は解消されません。
 また、定員合理化計画の下で、公務の職場が、長時間労働、超過密勤務とサービス残業が蔓延をしています。これが放置をされたまま、フレックスタイム制による労働時間の弾力化が進めば、行政サービスの停滞や職員負担の更なる増加になりかねません。
 国家公務員の四分の一を占める非常勤職員の賃金は常勤の半分と言われ、豊かな知識と経験を持つ非常勤職員が三年雇い止めなどの不安定な雇用の下に置かれていることは重大です。
 多くの省庁で、民間よりも格差の大きい男女賃金格差の是正も急がれます。
 公務・公共サービスを拡充し、公務の労働条件を改善をするために、定員合理化計画を撤回をして、総人件費抑制政策を廃止することを強く求めて、討論とします。

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