○井上哲士君 私は、日本共産党を代表し、官報発行法案と整備法案の両案に反対の討論を行います。
官報は、法律等の公布や公示事項を記載することで法的効果を生じさせ、国民の権利義務に影響を与え、また国民に広く周知する役割を持っています。
現行憲法下で初めて官報の根拠法を設けるに当たり、センシティブ情報への適切な配慮を行いつつ、官報を永続的に閲覧できるよう保存、公開することで、国民の知る権利を保障することが求められます。
ところが、官報発行法案は、責務として国民への公開を明記せず、電子官報に閲覧期間を設け、閲覧に制限を掛けるものとなっています。九十日間とされる閲覧期間に何の合理性もありません。
さらに、閲覧期間超過後にも閲覧できるようにするものは、法令その他内閣府令で定める事項とされているだけで、政府が恣意的に制限を掛けることが可能な仕組みとなっています。
自見大臣は、プライバシーへの配慮の観点から、支障がない官報の掲載事項については永続的に公開をさせていただくと答弁していますが、法案にはその保障となる規定がありません。
また、図書館法の政府による都道府県立図書館への官報提供規定を削除する一方で、法案では、図書館の求めがあれば書面官報を提供するなどとしているだけです。現行でも無償提供がされておるとの政府答弁がありながら、図書館が自ら購入している状況です。
図書館法の規定削除は、政府の情報公開の責任を後退をさせ、過去のものも含む官報への国民のアクセスが制限をされる懸念があります。
官報発行法案との整合性を取るための改定を行う整備法案にも反対であることを申し述べて、討論を終わります。
内閣委員会(官報発行法案等に対する反対討論)
2023年12月 5日(火)