国会質問議事録

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内閣委員会(こども性暴力防止法案(日本版DBS法案))

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、幾つか基本的な問題をお聞きしておきます。
 法案の第一条、目的では、子供たちを性犯罪被害から守るために、大きく三つのことを述べております。一つは、学校設置者や民間教育保育事業者に対し、子供たちを性暴力から守る責任があることを明確にすること。二つ目は、子供たちを性暴力から守るために講ずるべき措置について定めること。三つ目は、これらの措置を講ずる目的のために、特定犯罪事実確認の仕組みを導入するということであります。
 今も議論になりましたけど、大臣はこの間の答弁で、この本法案の特定性犯罪事実確認の仕組みは事実上の就業制限に当たり、憲法上の職業選択の自由を一定制約するものだと説明をしてこられました。
 この特定性犯罪事実確認の仕組みが本法案の目的に照らして職業選択の自由との関係で許容されるということの理由はどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
 児童や生徒に対する性暴力の被害は、被害児童等の権利を著しく侵害し、生涯にわたって回復し難い有害な影響を与える極めて悪質な行為であり、断じて許されるものではありません。
 このため、本法案は、子供を性暴力から守るための措置を事業者に義務付けるなどし、そのための重要な手だてとして性犯罪歴を確認する仕組みを創設することとしております。
 他方で、本法案における仕組みは事業者に一定の措置を義務付けるものであるため、職業選択の自由に一定の制約を課すものです。
 このため、その必要性や合理性等が認められるものである必要がございまして、例えば、犯歴確認の対象とする機会は、再犯に至った者の実証データに照らし、再犯の蓋然性が高い期間を犯歴確認の対象期間として設定をしているところでございます。
 また、対象事業は、被用者が児童等を指導するなどし、支配的、優越的立場に立つ等の性質を有しており、児童等に対する性暴力等の発生に特別の注意を払うことが求められる者、これを対象と設定をしております。
 このように、子供を性暴力から守ることを第一とさせていただいた上で、規制の必要性ですとか、合理性を考慮した内容とさせていただいているところでございます。
○井上哲士君 この間、子供たちを性暴力被害かから守るために、教員性暴力防止法や改正児童福祉法によって、児童生徒性暴力等を行ったことにより教員免許が失効した者や免許状を取上げ処分を受けた者、保育士の登録を取り消された者等に関するデータベースが構築をされて、これは任命や雇用の判断材料として使われております。
 一方、この本法案の特定性犯罪事実確認の仕組みは、任命や雇用の判断材料ではなくて、事業者が子供たちの安全確保をするための措置を講じるために活用されるとされておりますけれども、なぜこういうような違いがあるんでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答えを申し上げます。
 本法案に基づく確認とは異なり、いわゆる教員性暴力等防止法や児童福祉法に基づく児童生徒等への性暴力等による教員、職員等や保育士の免許状の失効等に関するデータベース、こちらの方は教職員等や保育士を任命又は雇用する際に活用する位置付けとしております。委員の御指摘のとおりでございます。
 他方、本法律案におきましては、子供を性暴力から守るために事業者に責務を有することを明らかにした上で、児童対象性暴力等が行われるおそれがある場合は防止措置を講じなければならないこととし、その重要な手だてとして犯罪事実確認書を交付する制度を創設することとしております。
 本法案のこうした内容を超えて、犯歴確認の結果等を、欠格要件、もし仮に欠格要件とした場合は、職業選択の自由に対する制約がより強くなり、対象事業の範囲や期間の長さについて本法案の内容よりも限定的にする必要が生じ得ると考えてございます。
 このようなことも踏まえまして、本法案のような仕組みとしているところでございます。
○井上哲士君 さらに、本会議でも指摘いたしましたが、国の認定を受けた事業者が本法案の措置の対象になるという構造になっております。
 法案第二条第五項で定義されている民間教育保育等事業者は認定の申請ができる事業者であって、認定を受けない事業者がどうしても残されてしまいます。
 大臣は本会議の答弁で、認定を取らずともできる対策を実施していただくことが重要と述べられましたけれども、この民間教育保育等事業者で認定を受けない事業者にどのような対策を求めるのでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。
 子供の安全を確保するためには、認定の対象となる事業者に対してはまずは認定の取得を促すことが重要でありますので、認定制度への参加を強く働きかけてまいります。あわせまして、保護者等に対しましても周知、広報を行い、社会的にも認定を取得することが重要なのであると、こういう認識が高まっていくように努めてまいります。
 また、個人が一人で行っている事業所など含めて認定の対象とならない事業者に対しましては、四月二十五日に取りまとめました関係省庁で取り組むべき総合的な対策、これに基づきまして、教育、保育業界における児童への性暴力防止の取組を横断的に促進するための先進事例の把握、指針のひな形作成、ワンストップ支援センター等における被害者支援の強化等、本法案の対象事業に該当しない者も含めて活用できるような各種取組の推進、充実を図ってまいります。
 指針のひな形に関する具体的な対策、これを一つ御紹介を申し上げますと、まだ検討中の段階ではございますが、例えば、外部の相談窓口を児童や保護者に周知すること、児童との連絡のやり取りの方法や、密室の中一対一では指導は行わないことなど性暴力防止のためのルールをあらかじめ定め、それを児童やその保護者に説明すること、こういったことなどが想定されるものと考えております。
○井上哲士君 更にお聞きしますが、性犯罪事実の確認や児童対象性暴力防止措置が義務化される事業者、それと同様の措置がとれると認定を受けた民間教育保育事業者、そして未認定の事業者という三つの層があるわけですが、その外側に、子供たちと接する職業であってもこの本法案の民間教育保育事業者に含まれない職業があります。朝もちょっと議論になりましたけど、ベビーシッターなどですね。
 二〇二〇年に、ベビーシッターの大手マッチングサイト、キッズラインの二人の登録シッターが、業務中に子供の下半身を触ったとして強制わいせつの疑いで相次いで逮捕されました。非常にショッキングな事案だったわけですが、ベビーシッターの場合には本法案の民間教育保育等事業者に該当する形態とそうでない形態があると思うんですけれども、どうなるのかと。
 また、地域で行われている有償、無償のスポーツ教室などは本法案との関係ではどのように扱いになるのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 まず、ベビーシッターのマッチングサイト事業者でございますけれども、児童福祉法上の認可外保育施設の取扱いを一部見直して、一定のマッチングサイト事業者を認可外保育施設として届出対象として本法律案の認定を受けることを可能とする方向で検討しているところでございます。
 具体的には、利用者と個人のベビーシッターとのマッチングの場を提供している事業者について、従来は民間教育保育事業者の一つである認可外の居宅訪問型保育事業者には含まないと位置付けておりましたけれども、マッチングサイト事業者と登録をしているベビーシッターとの間に業務委託等の契約を締結し、事業者が保育を提供する主体となる場合には、認可外の居宅訪問型保育事業者に該当するものとして今般新たに整理することといたします。具体的には、認可外の居宅訪問型保育事業者に関する児童福祉法に基づく指導監督指針等の改正を予定をしてございます。
 一方で、単にマッチングサイトの運営だけを行い、マッチングの場の提供でとどまっているような事業者の場合には、保育の提供を自らの責任で行う事業者とは言えないことから、民間教育保育等事業者には該当しないと考えております。
 できるだけこういった見直しの仕組みを活用していただいて、認定の方に参画をいただけるように取り組んでまいります。
 また、地域のスポーツ教育に、スポーツ教室についてもお尋ねがございました。
 この法律案では、児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業であって一定の要件を満たすものを民間教育事業として認定の対象とするとしております。
 御指摘のスポーツ教室のようなものにつきましても、子供を対象として実施するものであり、かつ民間教育事業としての要件を満たすものであれば、有償、無償は問わずに認定の対象になり得るというふうに考えております。
○井上哲士君 マッチングサイトも一定の要件で該当するようにするということですが、それは、例えばサイトなどを見ればすぐに分かる、検索などもできると、こういうふうになっていくんでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) ただいま申し上げましたような、マッチング事業者であって、かつベビーシッターと業務委託を締結しているそういう業態、実はマッチング事業者の中でも既に実態として一部あるようでございます。こういった取組をしっかり行って、かつ指針を改正をして準備をしていきたいと思っておりますので、その過程で、おっしゃるとおり、保護者の方から見てそれが分かるのかという御指摘は非常に重要だと今思いましたので、そういった点も含めて取組をしっかり進めていきたいと思います。
○井上哲士君 加害者の臨床に携わる専門家からは、性加害を繰り返したくないということで治療を望んでいる性加害者自身が、子供と関わったら吸い込まれるように加害してしまうと、こういう経験を持っているので、この本法案必要だと言っているということをお聞きいたしました。その意味では、今回の仕組みは、過去に性犯罪を犯した者を再び犯罪者にしないための仕組みでもあると考えます。
 ただ、そうであるならば、この本法案の対象とならない子供と接するような職業は残すべきではないと思うんですね。民間教育保育等事業者に当たらないベビーシッターもできるということなわけで、そういう人であるとか、個人経営の塾とか、ピアノ教師とか、そういう講師などについてはどのような対応をしていくんでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 個人が一人で行っている事業につきましては、従業員の研修ですとか相談窓口の設置といった防止措置を講ずることが通常困難であることですとか、事業主が犯歴を取得することができてしまうことにより対象事業とは無関係の第三者からの犯歴の提出を求められるなど対象事業以外のところで悪用されるおそれがあるといったことから、純粋に個人のみで行っている形態については認定対象に含めることは困難であると整理をしてございます。
 この点、個人が一人で行っている事業につきましても、先ほどはベビーシッターのマッチング事業を例示に挙げて対象としたいというふうな方針を申し上げました。これ以外にも、個人が一人で行っている事業であるからといって一律に除外をするということではなく、今現在個人が一人で行っている事業について、新たに事業化をすることにより教育保育の事業者としての主体性が認められるような場合がどのような場合があり得るかといった点も含めて、施行までにしっかり検討を進めていきたいというふうに考えております。
 また、それでも純粋に一人の事業主についてはやはりこの認定の対象にならない方が存在するということも事実でございますので、先ほど来申し上げている総合的な取組、四月に関係省庁会議で取りまとめをいたしました。この中では、昨年度から、昨年度の補正予算を活用しまして、業界における児童への性暴力防止の取組を横断的に促進するための先進事例の把握や指針のひな形の作成、こういったことにも現在取り組んでいるところでございますので、広くこういった取組が進めていけるように、総合的な取組を推進していきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 純粋な個人的な形態を選択される方にもいろんな事情もあるし、思いがあると思うんですよね。そういうところでもきちっと対応行われるような、やっぱりいろんな対応を更に進めていただきたいと思います。
 次に、犯罪事実確認の手続について聞きます。
 学校設置者等については、この法の施行時に現職だった者の犯罪事実確認は三年以内に行わなければならないとされております。一方、認定を受けた民間教育保育等事業者は一年以内とされておりますけれども、この期間が異なる理由はどういうことでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 施行時現職の教員等につきましては、一律に業務を行わせるまでの確認を義務化をしてしまいますと、施行後一定期間の授業の実施が困難になってしまうということが想定をされること、あるいは大規模な自治体など事業者によっては教員等の人数が非常に多い場合もあること、これを踏まえまして、これらの者の犯罪事実確認の期限は施行日から起算をして三年以内で政令で定める期間というふうにしてございます。
 一方、認定時現職の教育保育等従事者につきましては、認定事業者は認定申請のタイミングを御自分たちで調整をすることができるという面がございます。また、大手の事業者における教育保育等従事者の人数も、大規模な自治体における学校等の教員等に比べれば比較的少ないということも想定をされるといったことも考慮しまして、この期限を認定等の日から起算して一年以内で政令で定める期間というふうにしているところでございます。
 具体的な期間につきましては政令で定めるということになるわけですけれども、子供の安全を可能な限り早期に確保する重要性ですとか事務処理の体制ですとか、事業者の皆さんが無理なく現職者について交付の申請の準備ができる期間なども勘案しながら適当な期間というものを定め、検討してまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 次に、文科省に来ていただいていますが、法案の第五条、第六条の児童との面会、面談や相談しやすい体制づくり、性暴力被害があった場合の子供の保護や支援について、本会議でもお尋ねをいたしました。これらを全て今の学校の体制のままで行わせることでいいのかということなんですね。
 本会議でも指摘しましたように、民間団体がインターネット上で実施した学校教師による性的行為や性暴力の被害アンケートでは、教師による性暴力は、体の接触が最も多くて、授業中での被害が最多となっているんですね。このアンケートでは、生徒がほかの教師に相談したときの対応で一番多かったのが、まともに取り合ってもらえなかった二七%、また、他の教師が学校内の性暴力に気付いたときの対応で最多だったのが、見て見ぬふり六三・四%だったと、こうなっております。こうした状況で、子供が何かあったら教師に相談しようというのはなかなかハードルが高いと思うんですね。
 性暴力被害の相談先として、養護教員とかスクールカウンセラーがその中心になることが考えられますが、養護教員は学校一人しか配置されていないところが多いですし、スクールカウンセラーは非常勤で複数の学校を掛け持ちして常勤していないことがほとんどだと思うんです。
 これではやっぱり十分なケアができないと思うんですが、養護教員の複数配置であるとかスクールカウンセラーの常駐など含めて、体制の整備を文科省として抜本的に強める必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。
 性的被害者の心身の心のケアという観点から、委員御指摘のとおり、性的虐待や性的被害などに遭遇した児童生徒に対しては、聞き取りも専門的な技術を要し、早期に専門家に相談することが重要でございます。
 その上で、学校におきましては、養護教諭、学級担任、学校医、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどが連携して援助していくとともに、関係機関や医療機関などと連携して対応に当たることとなります。
 このようなことから、文部科学省におきましては、令和六年度予算におきまして、スクールカウンセラー等の更なる配置の充実や重点配置を進めているとともに、養護教諭の業務支援体制の強化を行っているところでございます。
 引き続き、被害児童生徒が安心して相談することができるよう、学校における教育相談体制の整備に努めてまいりたいと思います。
○井上哲士君 必要な体制整備をしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、犯罪事実確認書が交付されるプロセスについて聞きますが、この申請を行った本人に犯歴があることが確認された場合に、法案では、こども家庭庁が回答内容を事前に本人に通知して二週間以内に訂正の請求ができるとされております。
 このこども家庭庁による本人への事前の通知というのはどういう形で行われるのか、また、この訂正請求の期間を二週間としている理由はどういうことでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 犯歴の照会の制度でございますけれども、こども家庭庁から事業主の方に回答する前に、該当ありの場合については本人に事前の通知をすることとしてございます。
 その具体的な方法でございますけれども、本人確認を徹底した上で行うべきものと考えておりますが、具体的には、今後、情報セキュリティーの専門家や関係機関の意見もお聞きしながら検討していきたいというふうに考えております。また、その際、例えば、本人の氏名等の情報を第三者が知り得ない申請番号等をもって記載することで、万が一漏えいした場合でも容易に本人と結び付けられないようにするなど、個人情報保護を徹底するような工夫を行っていきたいというふうに考えております。
 また、訂正請求期間を二週間とすることについてでございますけれども、犯罪事実確認書に記載をする内容が事実であると思料するかどうかは、従事者御本人は容易かつ迅速に判断をすることが可能であろうと思われます。
 また、訂正請求可能な期間中は、犯罪事実確認書が交付されずに事業者が犯罪事実の確認義務を履行できない状態となること、また他方で、訂正請求可能な期間を例えば数日以内といった短い期間にしてしまいますと、通知を受けた従事者が偶然多忙であったなどの事情から、訂正請求をするかどうかの判断ができないままに期間が経過してしまう、そういったことも考えられることなどを勘案しまして、訂正請求は事前通知を受けた日から二週間以内というふうに設定をしたところでございます。
○井上哲士君 二週間以内に訂正申請がない場合は事業者に犯罪事実確認書が交付されることになるわけですね。今ありました、それが余り短過ぎると多忙なときなんかに対応ができないというお話がありましたが、ただ、病気とか事故の場合であったら二週間だってできない場合もあり得るわけですね。
 非常にやっぱり犯歴というのは機微な個人情報でありますから、二週間経過しても本人からこの訂正の申請がなければ、ないのに自動的に事業者に伝わるということは、これはやはり避けるべきだと思うんですね。そういう場合にも、まずは家庭庁が本人に連絡をして事業者に確認書を交付することを伝えるとか、そういう手続をきちっとやるべきだと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 犯罪事実確認書は訂正請求可能な期間中は交付をされず、事業者が犯罪事実確認義務を履行できない状態となることも勘案をして、先ほど御答弁申し上げましたように、訂正請求期間を二週間というふうにし、その期間経過後に交付をすることとしております。
 ただし、犯歴ありの場合の犯罪事実確認書は非常に機微な情報でありますので、例えば犯罪事実確認書の内容や取扱いなどについて従事者本人にも分かりやすく周知広報をするですとか、従事者本人への事前通知の際、訂正請求期間も明確に伝えることやシステムにより訂正請求期間経過前に従事者本人に注意喚起を行えるようなシステムを検討するなど、こういった運用上の工夫についてもしっかり検討していきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 つまり、その本人に対してのそういうものになりますよという通知の仕方が、例えば必ず面接でするであるとかいろんなやり方あると思うんですけど、何か一定、一片のその封書などだけで行われて、それを実際いろんな事情で見てなかった、こういうことが起こってはならないと思うんですが、そういう通知の仕方はもう少しいかがでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) 御指摘のとおり、本人への事前の通知の方法、これ非常にデリケートな問題も含みますので、慎重に検討していきたいというふうに考えております。
 特に情報セキュリティーの専門家の方ですとか関係機関の御意見もよくお聞きした上で、どのような形で御本人に通知をするのかということを検討していきたいと思いますし、その場合には、やはり本人の確認をしっかり行った上で通知を行い、確実に本人に知らせるというふうな仕組みについて検討をしていきたいと思います。
○井上哲士君 本人確認については、そもそもこの確認書の申請に当たっても成り済ましの可能性があるということが衆議院の参考人質疑でもありました。戸籍の情報を提出することになっていますが、それだけでいいのか。この本人確信、成り済ましを防止することはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 犯罪事実確認書の交付に当たりましては、従事者本人が記載されている全ての戸籍、除籍の謄本等が必要になりますけれども、この提出方法につきましては、従事者本人から直接申請をさせる方法のほか、従事者本人が希望する場合には事業者を経由して申請する方法も可能というふうにしてございます。
 また、いずれの方法であっても、戸籍謄本等を取得する際には本人確認が行われておりますので、これらを第三者である事業者が不正に取得するとすれば、委任状を偽造したり市区町村の窓口で自らの本人確認書類を提示した上で偽造の委任状を駆使して不正に取得をするといったことになりますので、このようなことは通常は想定し難いかなというふうには考えております。
 さらに、最も機微な情報である犯歴がある旨の情報につきましては、写真付きの身分証の確認など厳格な本人確認の上で事前通知を行うということも検討していきたいというふうに考えております。
 その上で、犯罪事実確認書の不正取得は罰則も設けておりますので、本法律案の手続において適切な本人確認を行うことと併せまして、不正の取得がないように徹底をしていきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、子供を性被害から守るために全体として必要な制度でありますけれども、個々本当にいろんな問題があります。更にただしていきたいと思います。
 ありがとうございました。

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